AI版CapCutを、社内用に作った話 — 動画編集の「無気味の谷」を埋めるエディター

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AI活用動画制作内製化

こんにちは、forCreators代表のHarryです!

先日、「動画はHTMLで組み立てると、文字が1ピクセルも崩れない」という話を書きました(HeyGenがOSSで公開している HyperFrames というフレームワークです)。今回はその続き。作ってみて分かった、最後の壁の話です。

AIで動画は作れる。でも「納品できる」までは、一手間足りない

AIで動画、けっこう作れます。素材を渡せば、それっぽく組み上がる。

でも——それを「クライアントに納品できる」レベルにしようとすると、絶妙に手が届かない箇所が残るんです。

人が見て気持ちいい、自然な動画って、細部でできています。

  • テロップを、ほんの少し小さく
  • 出るタイミングを、数フレームずらす
  • 効果音を、映像の動きにピタッと音ハメする

この「ちょっとした調整」の積み重ねが、「素人っぽさ」と「プロっぽさ」を分けます。

AIは9割やってくれる。でも最後のこの一手間——「自然に見せる」チューニングが、いちばん面倒で、いちばん効く。作れてはいるのに、なんか惜しい。僕はこれを勝手に「動画編集の“無気味の谷”」と呼んでいます。

厄介なのは、その微調整をAIに“一行ずつ”頼むのが逆に手間なこと

HyperFramesは強力ですが、素のままだと“コードを書く”世界。修正は基本、AIに日本語でお願いする形になります。

でも「このテロップ、あと少し小さく」「SEを3フレーム早く」みたいな微調整を、毎回チャットで一行ずつ指示するのは、正直しんどい。こういうのは、CapCutみたいに、見ながら直感的につまんで動かせたほうが速い。

——そう思って作ったのが、今回の話。社内用の“AI版CapCut”、forCreators Studio です。

ひとことで言うと「動画編集ソフトの顔をした、AI動画エンジン」

見た目は、みんなが知っている動画編集ソフトそのもの。左に素材、真ん中にプレビュー、下にタイムライン。CapCutやPremiereを触ったことがあれば、迷わないUIにしています。

でも中身は、先日紹介したHyperFrames(=HTMLで動画を組み立てるエンジン)。「編集ソフトの直感的な操作感」と「HTMLだから文字が崩れないエンジン」を、1つにしたものです。

forCreators Studioのエディタ全景。左に素材/中央にAIディレクター/右に9:16プレビュー/下にタイムライン(画面はダミーデータ)

できること

① 素材を渡せば、まとまる

クリップを放り込むと、タイムラインに自動で並ぶ。カット・テロップ・効果音・ナレを、レイヤーで重ねる。コードは一切見えません。

② でも、CapCutみたいに“手でも”触れる

自動で並ぶだけじゃなく、ここからが本題。普通の動画編集ソフトと同じ、直感操作がそのままできます。

クリップの端をつまんでドラッグ → 尺が伸び縮み(トリム)。「このカット、あと0.3秒短く」を、数字じゃなく手で。しかも縮めると後続カットが自動でスッと詰まる(黒コマが出ない)。

クリップの端をドラッグして尺を変える。後続カットが自動で詰まる

テロップを掴んでドラッグ → 出る/消えるタイミングを移動。字幕を数フレーム前後させる、あの微調整が手で。

テロップを掴んで表示タイミングを移動

テロップの画面内の位置を、位置パッドでドラッグ → 上下左右に移動。セーフゾーンのガイド付きでピタッと置ける。

位置パッドでテロップを画面内で移動(セーフゾーンのガイド付き)

効果音をタイムラインの好きな位置へドラッグ → 音ハメ。映像の動きに合わせて置く、あの作業がそのまま。

効果音をタイムラインにドラッグして映像に音ハメ

「AIに全部お任せ」でも「自分で全部詰める」でも、どっちでもいい。CapCutでできる手の動きは、だいたいそのままできます。

③ 見たまま = 最終動画

プレビューと書き出し結果が完全に一致。「書き出したらズレてた」が起きない。作りながら、完成形をそのまま見ている状態です。

④ 微調整も、日本語で一言(ここが目玉)

さっきの“無気味の谷”を埋める微調整。手でやってもいいし、AIディレクターに日本語で頼んでもいい。

「今だけ40%OFF、もっと大きく目立たせて。オレンジで。」

→「“40%OFF”だけブランドのオレンジで強調しました。文字はHTMLで焼くので、拡大しても崩れません」——と、その場でプレビューが変わる。

AIディレクターに「もっと大きくオレンジで」と頼むと、その場でプレビューに反映。文字はHTMLに焼き込むので拡大しても崩れない

「もっと大きく」「テンポ上げて」「このSE、動きに合わせて」——やりたいことを言えば、その場で反映。操作を覚えなくていい。

⑤ 参考動画のトーンを、そのまま再現できる(地味に最強)

“お手本”の動画を渡すと、その編集タッチ・デザイン・スタイルを踏襲して作れます。「この動画みたいなテンポと色味で」と言えば、そのトーンに寄せて作り分ける。バズっている型を、そのまま自社の商品に載せ替える——みたいなことができます。

参考動画を渡すと、そのテンポ・色味・字幕の出方を踏襲して作れる

⑥ 案件を並行で、安全に

案件ごとにプロジェクトが分かれ、担当が自分の案件を開いて編集。編集中/書き出し済/レビュー待ちが一覧で見える。

案件ごとにプロジェクトが分かれ、編集中/書き出し済/レビュー待ちが一覧で見える(画面はダミーデータ)

これで、何が変わったか

いちばんは、「良い編集」を型として配れるようになったこと。テロップの間、SEのタイミング、“自然に見せる”あの微調整——属人化していた“うまさ”を、Studio+AIディレクターで誰でも一定ラインに寄せられる。1本あたりの手間も、確実に軽くなっています。

じつはこの「自社の道具を、AIと一緒に育てる」という話は、これで3つ目です。案件管理をやめて社内ポータルを内製した話動画をHTMLで組み立てるHyperFramesの話、そして今回の「それを誰でも触れるエディターにした話」。バラバラに見えて、根っこはひとつです。

道具は「買う」から「AIと一緒に育てる」へ。 自社の業務に100%合う道具を、外から買うんじゃなく、AIと一緒に育てる。動画編集ソフトすら、自社で持てる時代になりました。

弊社では、このようなAIを活用したクリエイティブ制作や、AI導入支援も行っています。少しでもご関心を持っていただけたら、お気軽にお問い合わせください。

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