こんにちは、Harryです。TikTok Shop向けのEC動画を、AI中心の制作フローでつくっています。
今日は、うちの制作パイプラインの心臓部の話です。結論から言うと——AI動画編集の答えは、生成AIではありませんでした。
生成AI動画の最大の壁は「日本語の文字」
動画生成AIはこの1年で本当にすごくなりました。ただ、EC動画の現場で使おうとすると、必ず同じ壁にぶつかります。
文字が崩れる。
商品パッケージのロゴ、成分表示、テロップ、価格。EC動画は「文字が正確であること」が生命線なのに、生成AIは文字を「絵」として描くので、日本語はほぼ確実に崩れます。1文字でも崩れたら商用では使えません。
うちも最初は「モデルが進化すれば解決するだろう」と思って、いろんなモデルで検証を重ねました。結論:待っていても解決しない。文字は「生成」するものではなく「描画」するものにすればいい。
発想の転換:動画をHTMLで組む
うちの動画の作り方はこうです。
- 画面をHTML/CSSで組む(Webページを作るのと同じ技術)
- テロップ・ロゴ・価格は、フォントデータとしてそのまま描画する
- アニメーションもコードで制御する
- それをフレームごとに撮影して動画に書き出す
つまり、文字が「絵」になる工程がどこにも存在しないんです。だから100%崩れない。1pxのズレもなく、指定したフォント・サイズ・座標で出ます。
Webの世界では当たり前の技術です。でも「動画編集」の文脈でこれを主軸にしている制作会社は、まだほとんど見ないですね。
この方式の副産物が、量産ではむしろ本体
文字が崩れない、は入口にすぎなくて、量産の現場ではこっちが効きます。
- 修正が一瞬:テロップの誤字修正は「テキストを書き換えて再書き出し」。編集ソフトを開き直す作業が存在しない。リビジョンの追加コストはほぼゼロ(API実費で1円程度)
- データ駆動で量産できる:画面の構造とデータ(台本・商品情報)が分離しているので、データを差し替えれば別商品の動画になる
- AIと相性が最高:HTMLはテキスト=AIが読み書きできる形式。「このテロップをもっと強く」という指示でAIが直接編集データを触れる
前に書いたポータルの話と同じ構造です。**AIに読める形式にした瞬間、自動化の射程に入る。**動画も例外ではありませんでした。
じゃあ生成AIはいらないのか?
いらなくないです。役割分担です。
- 文字・レイアウト・アニメーション → HTML(100%制御)
- 実写素材 → 撮影(物理はAI化できない)
- 背景・質感・動きの素材 → 生成AI(得意分野に限定投入)
生成AIは「全部を任せる主役」ではなく「素材工場の一部門」。この配置にした途端、それぞれの弱点が消えて、コストも桁が変わりました。営業デモが1本約40円でつくれるのも、この構造のおかげです。
まとめ
- EC動画の生命線は文字。生成AIは文字を「絵」として描くから崩れる
- 解決はモデルの進化待ちではなく、文字を生成工程から外すこと
- HTMLで組む方式は、文字100%・修正ほぼゼロ円・データ駆動量産・AIが直接編集できる、の4点セット
- 生成AIは素材部門に限定配置するのが現時点の最適解
明日は、この方式の品質を守っている「AI採点」の話。AIに自分の作品を採点させたら人間と真逆の結果が出た、という検証の学びです。
—— Harry(@imharry_so)

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